薬王堂気まぐれ通信使№765  2017-2-19
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

19日の日曜日はヒコビア会(植物観察会)に参加しました。
場所は呉市下蒲刈島、最高地点である太平山(275m)に登りながらの観察会です。
島に架かる安芸灘大橋は2000年1月に完成しています。
それまでは仁方港から船で行かなければいけない不便な場所でした。
上蒲刈~下蒲刈島の瀬戸は流れが速く雁木に接岸するフェリー船の操作は困難を極めていたようです。
ここは朝鮮通信使の一行が立ち寄った場所です。
朝鮮からはるばる江戸に上行していたと思うとこれも苦労があったに違いありません。



下蒲刈までは自宅から車で約50分の道のりでした。
午前10時、駐車場に車を停めて出発します。
川の堰堤にウラギクがあります。
ウラギクは別名=ハマシオンとも呼ばれ真水と海水の入り混じる場所に生育します。
時期的には花も終わり、何とか咲いていました。
シュロガヤツリ
オランダガラシは櫁柑山からの栄養を得てるのでしょう異常に大きく育っています。
近くの八幡神社に詣でます。
タイミンタチバナが見られます。
クスノキ
イタビカズラ
サカキ
キヅタ
アラカシ
ヒサカキ
カクレミノ
ヤブツバキ
ツブラジイ
スダジイ
クロキ
モミ(植栽?)
などの樹木が見られます。
下草はほとんどなく土は掘り返されて獣の匂いがしました。
イノシシがあちこちを掘り返しています。
昔はイノシシはいなかったのですが蜜柑を栽培することによって冬でも食料に困らないようです。
この島のイノシシはブタとの交雑種のイノブタと聞きます。
かつてはシュンランの咲き乱れる蘭島と呼ばれた事もありましたがイノブタに掘り返されてシュンランはほとんど無いようです。
モミは神社によく植えられています。
成長が早く材も素直で扱いやすいらしいのですが高級な木材とはならずベニヤ板などに使われるらしい!
また火葬用の棺桶はモミで作られる事が多く、土葬に使われた古代の棺桶はコウヤマキで作成されていたらしい!
道すがら、レモンを収穫していたおばさんからレモンを分けてもらいます
多種の柑橘類を栽培しているのでしょう、ブッシュカンが植えられ道路のあちこちに商品にならないミカンが投げられていました。
食べてみれば美味しいようです。
パンパグラス
ヤブニッケイ
ノグルミ
シキミ
ナワシログミ
フラサバソウ


フラサバソウ


オドリコソウ
イヌホオズキ
イズセンリョウ
ヒメユズリハ
オニヤブソテツ
オオイヌノフグリ
等を見ながら山道を上りました。
峠にさしかかります。


下の港は大地蔵


坂の下は大地蔵という集落があります。
漁村だったのでしょう。
その向こうには安芸灘が広がっていました。
遠くかすむ陸地は四国、大小の島々のある風景に癒されます。
大平山、呉に近いこの山頂は太平洋戦争中末期、アメリカの戦闘機を狙い撃ちした高射砲が設置されていたと古老が教えてくれました。
4基設置の予定だったが二基(二門)しか実際には使われず終戦後には鉄材として外国に運ばれた!と言っていました。


正面が呉方面、右側は工場が多かった広地区、昭和19年末期~20年にはアメリカ軍の飛行機が飛び交っていたのでしょう。


昼食を済ませ、来た道の反対側を下ります。
ミカンはほとんど収穫されていました。
下山し天神鼻に行ってみます。
かつては風光明媚な入り江に突出した松並の出島だったのでしょう。


ヒトツバ
クサフジ
蕾をつけたタイミンタチバナも目に入ります。
突端から鼻に登り尾根筋を歩きます。
今日もいい一日でした。
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